日本小児外科学会雑誌
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症例報告
子宮および両側付属器を内容とする女児右鼠径ヘルニアの1例
竹添 豊志子田原 和典渡邉 稔彦大野 通暢右田 美里朝長 高太郎渕本 康史金森 豊
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2016 年 52 巻 5 号 p. 1047-1050

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抄録

女児鼠径ヘルニアにおいて両側の卵管滑脱・卵巣脱出に加えて子宮も脱出しているヘルニアはまれであり,自験例を含めこれまで16 例の報告しかない.そのうち13 例が左側発生である.今回我々は報告の少ない右側発生の同症例を経験したため報告する.症例は在胎31 週,1,147 g で出生した低出生体重児,日齢5 に右鼠径部の膨隆を指摘され,超音波検査にて子宮および卵巣を内容とした右鼠径ヘルニアと診断された.月齢1 で右鼠径ヘルニア根治術を施行し,脱出臓器は子宮および両側付属器であった.術後経過は良好であり,術後7 か月が経過するが,再発は認めていない.報告例全例が乳児期早期の発症であり,子宮・卵巣の骨盤腔への固定が未熟であることが発症機序に関連すると考えられた.超音波検査で子宮と患側卵巣の脱出は観察されやすいが,対側卵巣脱出の検出は困難であり,手術の際に留意する必要がある.

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