2016 年 52 巻 5 号 p. 1073-1076
症例は8 歳,男児.来院当日の朝から突然発症の下腹部痛で当院へ救急搬送された.腹部造影CT 検査でfree air および骨盤内の腹水貯留を認め消化管穿孔による汎発性腹膜炎の診断で緊急手術を施行した.診断的腹腔鏡で手術を開始しMeckel 憩室穿孔と診断して腹腔鏡補助下に憩室切除および洗浄ドレナージを行った.病理組織学的検査所見では小腸粘膜の胃底腺化を認め粘膜移行部での穿孔であった.消化管穿孔による汎発性腹膜炎において腹腔鏡手術は診断的・治療的に意義が大きいと考えられた.