日本小児外科学会雑誌
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症例報告
術前/術後化学療法としてGemcitabine/Oxaliplatin療法(GEMOX療法)を施行したfibrolamellar hepatocellular carcinomaの1例
牧田 智内田 広夫
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2016 年 52 巻 6 号 p. 1251-1255

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抄録

小児におけるfibrolamellar hepatocellular carcinoma(以下,FLHCC と略す)の本邦報告例は6 例しかなく,まれな疾患である.今回我々はFLHCC に対して手術と化学療法を施行し良好な経過が得られたので報告する.症例は12 歳女児で,肝腫瘍を指摘され当院紹介となった.各種画像検査からリンパ節転移を伴うFLHCC が疑われ,開腹生検によりFLHCC と確定診断した.多発リンパ節転移があるためGemcitabine/Oxaliplatin 療法(GEMOX 療法)を1 コース先行した.PIVKA-II は低下したが腫瘍の大きさは変化しなかったため,手術の方針とした.肝左葉切除術+リンパ節郭清を施行した.術後補助化学療法としてGEMOX 療法を施行した.2 コース施行時点で癒着性イレウスを発症し,癒着剥離術を施行した.その後GEMOX 療法を10 コース施行して治療を完了した.術後3 年経過したが再発は認めていない.

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