2016 年 52 巻 6 号 p. 1246-1250
梨状窩瘻の術後再発は15~25%と高率である.再発後の治療は再手術であるが,膿瘍形成後の瘢痕組織内にある瘻孔の同定は困難である.我々は,術中に内視鏡,透視,造影を併用することで,瘻孔の同定,および結紮処理が的確に施行可能であった梨状窩瘻再発の1 例を経験したので報告する.症例は3 歳時に左梨状窩瘻根治術を施行された5 歳の男児で,左頸部腫脹を主訴に当院を受診した.食道造影で左梨状窩に瘻孔を認め,左梨状窩瘻再発と診断した.手術時,内視鏡,透視下に瘻孔入口部から挿入したガイドワイヤーを術野から直接把持することで瘻孔を同定し,ガイドワイヤー周囲組織を剥離することで瘻孔の剥離を的確に行い,内視鏡下に梨状窩の瘻孔入口部で瘻孔処理が可能であった.術中内視鏡,透視,造影の併用により肉眼的に同定困難な瘢痕組織内の瘻孔の同定,処理が可能であり,再発のみならず初回手術においても有用と考えられた.