2016 年 52 巻 7 号 p. 1315-1320
症例は10 歳,女児.新生児期の人工呼吸管理後に後天性声門下腔狭窄症を発症し気管切開で管理されていた.術前の気管支鏡検査は,声門下腔は95%の狭窄を認め,狭窄範囲は声門から声門下腔の広範囲に及び,Modified Myer-Cotton 分類Grade IIIc と評価した.手術は,輪状軟骨前壁から側壁を切除し,甲状軟骨前壁の正中尾側1/3 まで切開し,声門下腔から声門までの瘢痕組織を切除し内腔を確保した.気管切開孔尾側の気管断端を声門まで拳上し甲状軟骨-気管吻合を行った.吻合部のステントと気道確保を目的に頭側の断端を閉鎖したT チューブを喉頭気管の内腔に留置した.術後2 年目にT チューブの抜去に成功した.Grade III~IV の声門下腔狭窄症に対してpartial cricotracheal resection は優れた術式である.術後にT チューブを使用し,長期間の吻合部のステントと安全な気道確保が行えた.