日本小児外科学会雑誌
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症例報告
小児卵巣原発胎児型横紋筋肉腫の1例
石塚 悦昭金田 英秀前岡 瑛里平野 隆幸渡邉 揚介川島 弘之古屋 武史細田 利史大橋 研介越永 従道
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2017 年 53 巻 7 号 p. 1264-1268

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抄録

横紋筋肉腫は,頭頸部,泌尿生殖器系からの発生が多いと言われているが,卵巣原発の報告は極めて稀である.今回我々は,術前化学療法が奏功し,腫瘍全摘出術を行った卵巣原発胎児型横紋筋肉腫の1例を経験した.症例は9歳女児.入院2か月前から腹痛と便秘を自覚していた.次第に腹痛が増強し,近医を受診したところ腹部腫瘤を指摘され,当院へ紹介となった.腹部造影CT検査の結果,下腹部全体を占める腫瘤と骨盤内液体貯留を認めた.画像所見より骨盤内腫瘍が疑われ,開腹腫瘍生検を施行した.病理組織学的診断より,胎児型横紋筋肉腫と診断した.VDC-IE交替療法にて,腫瘍の縮小を認め,入院7か月後に腫瘍全摘出術を行った.術中所見より,原発部位は左卵巣と診断した.術後TI療法を4コース施行したのち,退院となり,腫瘍全摘出術から45か月再発なく経過している.

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