日本小児外科学会雑誌
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症例報告
縦隔悪性腫瘍術後乳び胸に対して胸腔鏡下ポリグリコール酸シート併用組織接着剤被覆が有効であった1幼児例
都甲 さゆり井上 真帆文野 誠久坂井 宏平東 真弓青井 重善古川 泰三小関 道夫田尻 達郎
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2018 年 54 巻 1 号 p. 111-115

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抄録

症例は3歳,男児.左前縦隔原発悪性胚細胞腫瘍に対して化学療法を施行され,腫瘍縮小後に胸骨正中切開で体外循環下に腫瘍全摘と左腕頭静脈再建を行った.手術当日より乳び胸を認め,食事制限およびオクトレオチド皮下持続投与を行ったが,保存的治療に反応せず,乳び胸水量の著明な増加を認めたため,術後11日目に胸腔鏡下手術を施行した.術前・術中に脂肪負荷を行い,胸管本管損傷部を同定しえたが,クリップによる直接閉鎖が困難であったため,ヒトフィブリノゲン組織接着用シートで圧迫して乳びの漏出停止を確認後,ポリグリコール酸吸収性縫合補強材シートを貼付し,フィブリン糊を散布した.術直後より乳び胸は消失した.術後乳び胸に対する外科治療において,本術式は簡便で低侵襲であり,有効な選択肢になりうると考えられた.

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