2018 年 54 巻 1 号 p. 108-110
急性胃腸炎として小児科に入院していた2か月の乳児が腸重積症と診断され,小児外科コンサルトとなった.6倍希釈ガストログラフィンによる高圧浣腸を行い回盲部より約30 cm口側までは造影剤により容易に描出されたが,圧をあげてもそれ以上描出されなかった.整復不能と判断し,緊急開腹術を施行した.回盲部から約30 cm口側に回腸-回腸型の腸重積症を認め,先進部に腫瘤を触知した.色調の悪い小腸を,腫瘤を含め約8 cm切除した.病理検査の結果,先進部の腫瘤はadenomyomaであった.adenomyomaによる小児腸重積は2016年までに本邦で16例報告されており,生後2か月での発症は最年少であった.文献的考察を加えて報告する.