2018 年 54 巻 1 号 p. 116-120
十二指腸膜様狭窄症は新生児期~乳児期に通過障害で顕在化することが多いが,学童期に急性膵炎を契機に発見された症例を経験した.症例は7歳女児.腹痛,嘔吐で発症し,精査により急性膵炎と十二指腸膜様狭窄症が診断された.内科的治療により膵炎の症状は消失し退院した.膵炎の発症から1か月半後,endoscopic retrograde cholangiopancreatography(ERCP)を施行した.十二指腸に膜様狭窄を,またそのすぐ口側にVater乳頭を認めた.膵管胆管に形態的異常はなく,十二指腸膜様狭窄の影響で二次性に膵炎を発症したと推測した.発症から2か月後,ERCP,蛋白栓除去,膵管ステント留置,十二指腸膜様部切開(1方向)を施行した.発症から5か月後,内視鏡的に膵管ステントを抜去と同時に,膜様狭窄部の切開が不十分であったと判断し2方向膜様部切開を追加した.その後は良好に経過している.膵炎を契機に発見された十二指腸狭窄症の報告は少なく,また蛋白栓除去と膜様部切開の両方を内視鏡的に施行し得たため報告する.