日本小児外科学会雑誌
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症例報告
腹腔内全体を占拠する巨大大網囊腫に対し単孔式腹腔鏡手術で全摘し得た1幼児例
神部 浩輔高山 勝平文野 誠久坂井 宏平東 真弓青井 重善古川 泰三田尻 達郎
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2018 年 54 巻 1 号 p. 81-84

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抄録

症例は3歳女児.2歳頃から腹部膨満を認め,3歳児健診で精査を勧められ,近医小児科を受診した.超音波検査で腹腔内全体を占拠する囊胞性病変を指摘され,精査加療目的に当科紹介受診となった.MRIでは腹腔内に20×10×22 cmの囊胞性腫瘤を認め,造影CTでは重要血管および隣接臓器への浸潤はなく,大網囊腫および腸間膜囊腫を疑い,手術の方針となった.臍部z切開で開腹し単孔式腹腔鏡で観察したところ,腹腔内は囊胞で占拠され,内容液を吸引した後,大網と連続した囊胞を切離した.病理診断にて大網囊腫と確定診断した.術後半年を経過したが,再発を認めていない.大網囊腫は急性腹症を呈することがあり,無症状でも外科的切除の適応と考えられる.完全切除しえた大網囊腫の再発例の報告はなく,予後は良好である.単孔式腹腔鏡手術は,整容性,侵襲性の点から極めて有用であり,本疾患の外科治療の際には考慮すべき術式であると考えられた.

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