日本小児外科学会雑誌
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症例報告
腸管不全関連肝機能障害(IFALD)に対しω3系脂肪酸製剤を投与した2例
―ω3系脂肪酸製剤投与中の出血傾向について―
渡邊 峻松寺 翔太郎谷 有希子山口 岳史荻野 恵中島 政信佐々木 欣郎土岡 丘加藤 広行
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2018 年 54 巻 1 号 p. 75-80

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抄録

Omegaven®は魚油由来のω3系脂肪酸製剤であり.腸管不全関連肝機能障害(IFALD)への有効性を示されているが,本邦では薬事未承認である.当施設でIFALDを呈した2症例に本製剤を使用した.症例1は小腸閉鎖に対する十二指腸結腸吻合後IFALDをきたした女児で,重篤な腸管不全に加え本製剤の導入も遅く,肝腎不全で死亡した.症例2は超低出生体重児で壊死性腸炎後IFALDをきたした男児で,適切な時期に本製剤を導入し良好な経過を得た.Omegaven®はIFALDの改善に有効だったが,導入後に2症例とも合併症といわれる出血傾向を認めた.本製剤投与により体内のEPA比率が上昇し出血傾向が生じるとされる.肝機能障害や栄養障害を有するIFALDの児では出血傾向の合併が重篤な事態を招きうる.Omegaven®のIFALDへの有用性が知られ使用機会が増えているが,使用にあたり出血傾向の合併症にも留意する必要があると思われた.

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