2018 年 54 巻 1 号 p. 85-89
11歳男児.家族歴は特になし.激しい間歇的上腹部痛と胆汁性嘔吐を主訴に当科を緊急受診した.口唇,四肢末端の色素沈着なく,精査の結果,小腸重積症と診断し,同日緊急手術となった.回盲部より240 cm口側に小腸重積を認めHutchinson手技で整復した.先進部に腫瘤を触知したため,約4 cm小腸を切除し端々吻合を行った.切除小腸には有茎性の分葉状ポリープを認め,病理診断はPeutz-Jeghers(以下P-J)型ポリープであった.そこで,遺伝子解析を施行したところ,STK11/LKB1遺伝子に変異は認めなかった.また,その後に施行した精査でも,他には明らかなポリープを認めず,P-J症候群は否定的であった.P-J型ポリープはP-J症候群との鑑別が重要である.そのためには遺伝子解析が有用であるが,なかには遺伝子変異がみられない例もあるので,P-J型ポリープと診断しても一定期間の経過観察が必要であると考える.