2018 年 54 巻 4 号 p. 946-950
腸間膜裂孔ヘルニアはヘルニア囊がなく,腸間膜の欠損部から腸管が脱出して生じる.消化管閉塞,絞扼による腸管壊死を起こす可能性もあり,開腹による検索が確定診断をする唯一の方法である.今回,特に既往のない7歳女児の巨大な腸間膜裂孔による内ヘルニアからの絞扼性イレウス症例を経験したので報告する.持続する腹痛・嘔吐,588 mg/dlの高血糖から糖尿病性ケトアシドーシスが疑われ紹介となったが,造影CTで内ヘルニアによる絞扼性イレウスの診断となり緊急手術の方針となった.術中所見では回腸末端から口側235 cmにかけての腸管が直径約15 cmを超える小腸間膜裂孔に内ヘルニアを起こしており,脱出した腸管全体が壊死している状態であった.回盲部を含めた小腸部分切除(235 cm)を施行し,残存小腸は150 cmであった.術後早期には下痢便が頻回に認められていたが,便性も排便回数も徐々に改善した.その後,成長障害はみられず順調に経過している.