2018 年 54 巻 7 号 p. 1342-1346
症例は3歳,女児.感冒症状にて近医を受診した際に,下腹部に可動性腫瘤を触知し,腫瘍性病変が疑われ当科紹介となった.下腹部正中のやや右寄りに径7×5 cmの囊胞性病変を認め,超音波検査,MRI検査所見で一部充実性成分を認めたため,卵巣腫瘍を疑い開腹手術を施行した.手術所見では腫瘤は腹膜前腔に存在し,頭側は臍皮下に付着,尾側は索状物となり膀胱頂部へ連続していた.尿膜管囊胞と術中診断し,膀胱頂部を含め腫瘤を全摘した.病理所見は,血性内容物を有する囊胞性病変で,数か所で尿路上皮および立方上皮,円柱上皮を認め,尿膜管囊胞と診断した.幼児で,感染を伴わない巨大尿膜管囊胞の報告は稀である.囊胞が巨大な場合は卵巣腫瘍に類似した形態となることもあり,注意が必要である.巨大尿膜管囊胞は腹部囊胞性腫瘤の鑑別診断として考慮する必要がある.