日本小児外科学会雑誌
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症例報告
卵巣腫瘍茎捻転に対し腹腔鏡下に捻転解除を行い待機的に腫瘍核出術を施行した1例
黒田 靖浩洲尾 昌伍澤井 利夫金廣 裕道庄 雅之
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2019 年 55 巻 1 号 p. 115-119

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抄録

症例は3歳女児.突然の間欠的腹痛を主訴に前医を受診した.急性腸炎の診断で経過観察されたが,症状持続のためCT検査が施行され,卵巣腫瘍茎捻転の疑いで発症から48時間で当科紹介受診した.緊急手術の方針とし,腹腔鏡下に観察したところ左卵巣腫瘍茎捻転を認め,捻転解除術を施行した.捻転解除後も左卵巣の色調は改善を認めず卵巣組織温存目的で卵巣の血流や鬱血の改善を期待し二期的に腫瘍核出術を行う方針とした.術後のMRI検査で卵巣成熟奇形腫と診断した.当初は14日後に手術を予定していたがムンプス罹患のために28日後に施行となった.卵巣の血流や腫瘍自体の鬱血は改善しており,卵巣組織と腫瘍との剥離は容易で,卵巣組織を温存することが可能であった.小児や生殖可能年齢女性の卵巣茎捻転では卵巣温存に努める必要がある.今回捻転解除から待機的に核出術を施行することで卵巣組織温存に有効であったと考える症例を経験したので報告する.

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