日本小児外科学会雑誌
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症例報告
卵巣囊腫茎捻転を疑われ,術中所見から傍卵管囊腫に伴う卵管捻転と診断された1例
嶋村 藍井岡 笑子富樫 佑一坂井 宏平東 真弓文野 誠久青井 重善古川 泰三田尻 達郎
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キーワード: 傍卵管囊腫, 卵管捻転, 小児
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2019 年 55 巻 2 号 p. 259-263

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抄録

症例は13歳女児.左下腹部痛と頻回の嘔吐で発症翌日に前医を受診した.CTで骨盤内に囊胞性病変を指摘され,卵巣囊腫茎捻転を疑われ同日当院へ救急搬送となった.エコー・CT検査より左下腹部から膀胱頭側にかけて径10 cmの充実成分のない多房性囊胞性病変を認め,囊胞成分はecho freeで鏡面形成は認められなかった.腹水を少量認め,卵巣囊腫茎捻転を疑い同日緊急手術を施行した.術中所見で左卵管より突出した囊腫と360°反時計方向の左卵管捻転を認めた.左卵巣の血流障害は認められず,左傍卵管囊腫に伴う卵管捻転と診断し囊腫核出術を施行した.術後経過は良好であり特に合併症を認めず術後7日目に退院となった.今回我々は卵巣囊腫茎捻転疑いで緊急手術を行い,術中所見から傍卵管囊腫に伴う卵管捻転と診断した1例を経験した.

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