日本小児外科学会雑誌
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症例報告
出生前診断された胎児内胎児の1例
―本邦報告例の検討―
岡村 かおり前田 翔平飯田 則利佐藤 昌司米本 大貴飯田 浩一和田 純平卜部 省悟
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2019 年 55 巻 2 号 p. 278-285

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抄録

胎児内胎児は多胎の発生過程で一児が他児に取り込まれた稀な奇形で,奇形腫とは異なる病態であるが,予後に大きく関わるため両者の鑑別は重要である.大半は新生児期から乳児期に発見され,液体で満たされた囊胞内に骨構造を有する充実成分と,充実成分へ流入する血管を認めるといった超音波所見を呈し,診断の参考となり得る.今回,我々は比較的高度な身体器官の形成を認め,また特徴的な画像所見から,出生前診断された1例を経験した.腫瘤は出生後も増大し哺乳障害を認めるようになったため,新生児期に手術を行った.MRIやCTは脊椎構造の有無,栄養血管や周辺臓器との位置関係を把握でき,手術時期やアプローチ法の決定に有用である.

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