日本小児外科学会雑誌
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症例報告
女児外陰部形成術における術式と至適時期の検討
森 禎三郎藤村 匠山田 洋平狩野 元宏佐藤 健二浅沼 宏星野 健長谷川 奉延黒田 達夫
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2019 年 55 巻 4 号 p. 841-849

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抄録

総排泄腔遺残症・外反症や性分化異常症では,生命予後やQOLは改善されてきたが,生殖機能における長期的予後は十分に改善されているとは言えない.当院では小児外科,小児科,泌尿器科,産婦人科でチームを形成し,症例ごとに治療を行っている.今回,外陰部形成術を施行した5例を後方視的にまとめ,術式の選択と至適な手術時期について検討した.原疾患は総排泄腔遺残症が2例,総排泄腔外反症,先天性副腎皮質過形成症,原発性性腺機能低下症が1例ずつであった.外陰部形成には,結腸間置法,skin flap法,pull-through法,total urogenital mobilization,骨盤腹膜利用法をそれぞれ用いた.外陰部形成術を行う疾患は多岐にわたり,病態も多様なため,症例に応じたアプローチが必要である.疾患に応じて手術時期を設定し,乳児期より多科連携による治療戦略のロードマップを描くことが重要である.

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