腸管重複症は新生児期に腸閉塞を起こしうる.新生児期に腸閉塞を呈する腸管重複症の病態につき自験例3例と本邦報告例を検討した.症例1は日齢3の女児.在胎39週,3,540 gで出生.日齢3に手術を行った.5 cm大の回盲部重複腸管を伴う盲腸窩内ヘルニアであった.症例2は日齢2の男児.在胎38週,3,544 gで出生.日齢2に手術を行った.回腸末端の0.7 cmと2 cmの重複腸管が隣接腸管を圧排していた.症例3は日齢22の女児.在胎39週,2,896 gで出生.日齢22に手術を行った.回腸末端の2 cm大の重複腸管が隣接腸管を圧排していた.全症例で腸閉塞を呈し手術適応となり,手術は重複腸管を含めた周囲腸管の切除を行った.また全症例で重複腸管は術前の超音波検査と造影CTから診断が可能であった.術前に重複腸管自体の診断は可能であるが,これが引き起こす腸閉塞の病態は様々であることを念頭におく必要がある.