日本小児外科学会雑誌
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原著
先天性食道狭窄症の治療方針
―自験10例からの考察―
入江 理絵土岐 彰千葉 正博杉山 彰英中山 智理大澤 俊亮安藤 晋介渡井 有川野 晋也
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2019 年 55 巻 5 号 p. 933-938

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抄録

【目的】先天性食道狭窄症(以下本症)は病型によって治療法も異なることが多い.今回,当科で経験した本症症例の検討から本症の治療方針について考察する.

【方法】2000年から2015年までに当院および関連施設で経験した本症10例(平均年齢;1歳4か月,男女比;9:1)について,後方視的に検討した.

【結果】主訴は反復性嘔吐7例,食道異物1例,嚥下困難2例であった.術前に全例食道造影が行われ,abrupt narrowingが9例,tapered narrowingが1例に認められた.さらに上部消化管内視鏡検査,超音波内視鏡検査,24hrs pH検査および食道内圧検査が行われたが術前の病型診断は困難であった.10例の病型はMB 1例,FMS 4例,TBR 4例,気管支腺遺残1例であった.治療は拡張術3例,食道狭窄部切除端々吻合7例,食道粘膜外筋層切開2例で,拡張術は1例が有効であった.拡張術が無効であった2例は狭窄部切除端々吻合術に変更し,良好な結果を得た.また,術中に噴門形成を追加したのは7例で,術後GERDは認めなかった.

【結論】本症の病型を術前に確定することは難しい.膜様狭窄が積極的に疑われない場合は外科的切除を第一選択にするか,拡張術を行う場合は短期間少数回にとどめ,効果がない場合は速やかに外科的治療に変更すべきである.

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