日本小児外科学会雑誌
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原著
小児外科手術における新しい皮膚消毒剤「オラネジン®液」アプリケータ製剤の有用性
四柳 聡子林 豊西村 絵美石山 明日香長江 逸郎勝又 健次土田 明彦
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2019 年 55 巻 5 号 p. 939-944

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抄録

【目的】2015年9月に新たな手術部位感染予防,化学熱傷予防として「オラネジン®液1.5%消毒用アプリケータ」(以下,「オラネジン®液」アプリケータ製剤)が発売された.今回我々は小児外科手術における「オラネジン®液」アプリケータ製剤の有用性について後方視的に検討した.

【方法】2014年から2017年までに当院で施行された鼠径ヘルニア(陰囊水腫を含む)・臍ヘルニア・停留精巣の清潔手術症例を対象とした.2014年1月から2015年9月までをP群,「オラネジン®液」アプリケータ製剤を導入した2015年10月から2017年9月までをO群と定義した.気管挿管から執刀開始までの時間,術後手術部位感染症(以下,術後SSI)の発生,術後皮膚病変の有無,使用する物品のコストの4項目につき2群間の比較検討を行った.

【結果】症例数はP群:130例,O群:164例.性差はP群:男88例,女42例,O群:男119例,女45例.平均手術時年齢はP群:39.7か月,O群:40.8か月.基礎疾患はP群:鼠径ヘルニア85例,停留精巣34例,臍ヘルニア17例.O群は鼠径ヘルニア93例,停留精巣51例,臍ヘルニア20例であった.気管挿管から執刀開始までの時間はP群:13分,O群:10分でO群が有意に短かった.術後SSIの発生はP群,O群ともに0例であったが,術後皮膚病変はP群:6例,O群:0例に発生しており,O群が有意に少なかった.使用コストについてはP群:1,000円,O群:750円でありO群が安価であった.

【結論】小児外科手術の手術野皮膚消毒における「オラネジン®液」アプリケータ製剤の使用は,術後の有害事象はなく,手術部位感染対策・術前準備時間の短縮・コストの削減に有用であった.

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