日本小児外科学会雑誌
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症例報告
外傷を契機に術前診断し得た副脾捻転梗塞の1例
川見 明央増本 幸二千葉 史子田中 尚相吉 翼佐々木 理人五藤 周瓜田 泰久新開 統子高安 肇
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2019 年 55 巻 5 号 p. 951-956

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抄録

副脾捻転は稀な病態で,特異的な画像所見に乏しく術前診断が困難であるが,近年は画像検査技術の向上と症例の蓄積により術前診断例の報告が増えている.今回我々は,外傷を契機に発症し術前診断し得た副脾捻転梗塞の1例を経験したので報告する.症例は12歳男児.友人に左側腹部を殴られ疼痛出現.受傷2日目に造影CTで左腎尾側に径4 cmの腫瘤を認め,腫瘍が疑われ当院紹介となった.超音波検査では可動性腫瘤があり,血流は認めなかった.前医CTで腫瘤から脾門部に向かう捻転した索状物を認め,MRIでは出血性梗塞を示す辺縁高信号があり,副脾捻転と診断した.受傷19日目に腹腔鏡下副脾摘出術を施行した.腫瘤は大網,結腸と癒着し,血管は4回転捻転していた.病理診断は副脾捻転梗塞であった.副脾捻転の診断は索状構造の同定が決め手となる.副脾捻転を疑う場合には可及的早期の摘出が望ましいが,症例によっては経過観察の可能性もあると考えられた.

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