日本小児外科学会雑誌
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症例報告
異なるアプローチで治療した先天性門脈体循環シャントの3例
村上 雅一春松 敏夫矢野 圭輔馬場 徳朗大西 峻山田 耕嗣山田 和歌桝屋 隆太中目 和彦家入 里志
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2019 年 55 巻 6 号 p. 1091-1098

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抄録

先天性門脈体循環シャント(以下,本症)は肝肺症候群や肝性脳症などを生じる疾患でシャント血流遮断が根治治療となる.今回,異なるアプローチで治療した本症3例を経験した.1例は1歳女児で腹腔鏡下肝切除によるシャント血管遮断術を施行.2例目は心疾患合併の10か月男児で開腹でシャント血管バンディングを施行.3例目は17歳男児でコイル塞栓術を施行した.本症は肺高血圧など重篤な合併症の可能性があり積極的に治療すべきであるが,年齢・病型も異なり標準的な治療アプローチが存在しない.肝内門脈の低形成が軽度で閉塞試験で門脈圧25 mmHg未満の症例は一期的血流遮断の適応,肝内門脈が著しく低形成もしくは門脈圧25 mmHg以上の症例は二期的血流遮断の適応としている.術式は低侵襲なinterventional radiology(IVR)が望ましいがシャント血管の位置や肝内門脈の形成程度などを複合的に考えて選択すべきである.

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