2019 年 55 巻 6 号 p. 1099-1105
症例1は3歳4か月女児.間欠的腹痛を認め,当院紹介となり,画像検査で小腸間膜内に広範囲に渡る囊胞性病変を認めた.腸間膜リンパ管奇形の診断にて,腹腔鏡下に病変切除術を施行した.病理診断は腸間膜リンパ管奇形であった.術後に乳び腹水を認めたが,保存的治療にて軽快し,術後17日目に退院となった.症例2は17歳女性.10歳時にリンパ管奇形の診断を受けたが,後腹膜に広範囲に浸潤し,全摘除が困難であり,外来経過観察となっていた.17歳時に腹痛発作が頻回となったため,腹腔鏡下に病変の部分切除術を行った.病理診断は腸間膜リンパ管奇形であった.術後経過に問題なく,術後13日目に退院となった.術後1年4か月経過した現在,病変増大や症状増悪は認めていない.腸間膜リンパ管奇形に対する治療は外科切除が一般的である.近年報告例が増加している腹腔鏡下アプローチにて切除手術を行い,整容性,安全性に優れた治療が可能であった.