日本小児外科学会雑誌
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症例報告
放射線治療10年後に腸管穿孔を来たした放射線腸炎の1例
石川 未来増本 幸二瓜田 泰久
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2019 年 55 巻 7 号 p. 1175-1181

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抄録

晩期放射線腸炎は放射線照射後6か月以降に生じる虚血性変化に伴う障害であり,重症例では外科的手術の対象となる.悪性腫瘍に対する放射線照射後の患者では発症リスクが長期的に認められ,注意を要する.今回,放射線照射後10年で腸管壊死,穿孔を生じ4度の手術を要した晩期放射線腸炎の1例を経験したので報告する.症例は25歳女性,骨盤部横紋筋肉腫Stage IVに対し,10歳から5年間の治療の後,寛解に至った.2度の放射線照射を行っており,骨盤部に計95.4 Gyの照射歴があった.放射線照射野と考えられた小腸での吻合を行うも2度の縫合不全を生じた.最終的に空腸結腸吻合を行い残存小腸は100 cmとなり,一旦在宅中心静脈栄養を導入したが,その後離脱可能となった.晩期放射線腸炎では,症例の病態を考慮した適切な術式を検討する必要がある.

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