日本小児外科学会雑誌
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症例報告
新生児脾損傷の診断に造影CTが有用であった1例
吉村 萌古村 眞花田 学尾花 和子宮國 憲昭筧 紘子國方 徹也荒尾 正人秋岡 祐子大澤 威一郎
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2020 年 56 巻 1 号 p. 91-94

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抄録

我々は,極低出生体重児に腹部造影CT検査を施行し,複雑深在性脾損傷(IIIb)を診断し,保存的治療に成功した症例を経験した.症例は,日齢1男児.在胎27週5日で既往帝王切開のため緊急帝王切開で出生した.出生時体重1,085 g.Apgarスコアは8/7.呼吸窮迫症候群に対して,出生8分後に気管挿管施行し人工呼吸管理を行った.生後16時間で腹部膨満と全身蒼白がみられ,血液検査でHb 5.7 g/dlと著明な低下を認めた.腹部超音波検査で,腹水と脾門部血腫を認めたが,脾損傷の確定診断はできなかった.腹部造影CT検査を通常量70%のイオパミドール静脈投与で施行し,脾門部血管損傷(HV)のない複雑深在性脾損傷(IIIb)と診断し,輸血による保存的治療を開始した.新生児のCT検査には,造影剤投与は推奨されないが,投与量について考慮し,輸液を負荷することで安全に検査が施行でき,有用な情報が得られるものと考える.

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