日本小児外科学会雑誌
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原著
出生前診断された先天性胆道拡張症5症例
―生後早期の拡張胆管空腸吻合術の効果の検討―
松久保 眞野口 啓幸武藤 充杉田 光士郎村上 雅一家入 里志
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2020 年 56 巻 2 号 p. 188-193

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抄録

【目的】先天性胆道拡張症(以下本症)の出生前診断症例は,閉塞性黄疸や消化管通過障害などの有症状症例には早期対応が求められる.しかし,早期対応の方法に関しては,一律の方針はない.今回,出生前診断され,閉塞性黄疸や消化管通過障害などの症状を認めた本症に対して,生後早期に拡張胆管空腸吻合術(以下本術式)を施行し良好な結果を得たので報告する.

【方法】2014年1月から2019年1月までに出生前診断された本症5症例を対象とした.出生後,全症例に本術式後に,二期的根治術(拡張胆管切除,肝管空腸吻合術)を行った.患者背景・手術成績等に関して後方視的に検討し,本術式の妥当性を評価した.

【結果】平均在胎週数25週時に胎児超音波検査で指摘された.出生時の平均在胎週数は,38週6日,平均出生体重3,380 gであった.戸谷分類は,Iaが3症例でIV-Aが2症例であった.全症例で,出生後早期に本術式を施行した.術後合併症は認めず,症状の改善を得られた.二期的根治手術は4症例に対して平均月例11.5月,平均体重8.8 kgで施行した.1症例は,根治手術待機中である.

【結論】全症例で生後早期に閉塞性黄疸や消化管通過障害などの症状を認めたため,本術式を行った.術後に症状は改善を認め,4症例に対し二期的根治手術を施行し,良好な結果を得られている.本術式後に二期的根治術を行う方法は,手技が簡単であり,出生早期の児に対しても安全に行うことができ,出生前診断された閉塞性黄疸や消化管通過障害などの症状を認める本症に対する治療方針の1つとして考慮してもよいと思われる.

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