2020 年 56 巻 3 号 p. 314-318
症例は15歳男児.既往に脳性麻痺があり,肺炎を契機に気管挿管・人工呼吸器管理となった.肺炎治療後,抜管したが換気不全に陥り,再挿管となった.胸部造影CT検査で腕頭動脈と接した気管内腔に,肉芽による狭窄所見を認め,肉芽による窒息と考えられた.人工呼吸器からの離脱困難と気管腕頭動脈瘻の高リスクのため,当院へ紹介となった.頭部造影CT検査にてWillis動脈輪の開存確認を行い,気管腕頭動脈瘻回避のための予防的腕頭動脈離断術と気管切開を施行した.術後人工呼吸器からの離脱が可能となったが,術後2週毎に気管内肉芽の増大を認め,術後49日目にレーザー焼灼術を施行し,その後肉芽は消退した.腕頭動脈と接した気管内肉芽に対しては,腕頭動脈離断術を行うことで,気管腕頭動脈瘻のリスクを減らすのみならず,レーザー焼灼術を行う際にも有利になると考えられた.