日本小児外科学会雑誌
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症例報告
膵組織を含むAltman IV型仙尾部奇形腫の1例
荻野 恵松寺 翔太郎渡邊 峻谷 有希子山口 岳史岡本 健太郎中島 政信山口 悟土岡 丘小嶋 一幸
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2020 年 56 巻 4 号 p. 383-387

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抄録

症例は8か月,女児.発熱と嘔吐のため近医を受診した.翌日に腹部膨満が出現し当院へ搬送された.血液検査で炎症反応上昇と血清膵アミラーゼ値上昇を認めた.腹部MRI検査よりAltman IV型仙尾部奇形腫を疑った.絶食と抗菌薬投与にて炎症反応の改善後に手術を予定した.術前に経口摂取を再開したところ,腹部症状の再燃と血清膵アミラーゼ値の再上昇を認めたため,腫瘍内膵組織の存在を疑った.再度絶飲食とし,第18病日に腹仙骨式腫瘍摘出術を施行した.病理組織所見より膵組織を含む成熟囊胞性奇形腫と診断した.また腫瘍内容液および腹水の生化学検査で膵アミラーゼなどの膵酵素上昇を認めた.腫瘍内に膵組織を含み,腫瘍内膵組織から放出された膵酵素により腹膜炎が惹起されたと考えられたAltman IV型仙尾部奇形腫の症例を経験した.腫瘍内に異所性膵組織がある場合,それ自体から分泌される膵酵素により周囲臓器の炎症を来す可能性がある.

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