2020 年 56 巻 4 号 p. 388-391
症例は3歳男児.当院受診4日前より感冒症状あり,近医受診し感冒薬処方された.嘔吐と黒色泥状便を認め当院紹介受診.Hb 11.3 g/dlであったが便潜血陽性であり,精査加療目的に入院となった.翌日顔色不良となり,Hb 6.3 g/dlと低下を認めた.腹部造影CT検査を施行し,胃壁肥厚と胃穹窿部4 cm大の囊胞状腫瘤性病変を認めた.輸血し全身麻酔下上部消化管内視鏡検査を行った.穹窿部に出血性胃潰瘍と粘膜下隆起病変を認め,止血術を行った.プロトンポンプ阻害薬(PPI)投与にて出血がコントロールできなければ胃腫瘍摘出術を行う方針とした.Hb 11 g/dl台に保たれ,黒色便は消失した.第12病日に腫瘤精査に超音波内視鏡検査を行ったが,腫瘤は縮小し潰瘍も瘢痕治癒していた.6か月後の内視鏡検査では潰瘍は治癒しており,隆起性病変を認めなかった.初回のCTの再読影により,隆起性病変はCT値から胃壁内血腫と判断した.