日本小児外科学会雑誌
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症例報告
ポリエチレングリコール製剤が奏効した高度便秘症を呈する自閉スペクトラム症の1例
清水 裕史滝口 和暁角田 圭一町野 翔尾形 誠弥三森 浩太郎後藤 悠大鈴木 雄一山下 方俊田中 秀明
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2020 年 56 巻 6 号 p. 955-960

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抄録

症例は男児で,5歳時に自閉スペクトラム症で通院中の小児科より,便失禁を主訴に当科紹介となった.宿便除去を得た後に維持療法を実施したが,一時通院中断の時期を経て再度宿便形成が生じた.7歳時,排便に対する恐怖心から完全に排便拒否の状態となり,入院の上で洗腸処置が導入された.退院後,週2回の洗腸にて便性は粘土状で維持されたが,排便拒否が続いた.10歳時,ポリエチレングリコール(以下PEG)製剤が導入されると泥状便へと変化した.使用開始から2か月経過後,トイレ着座での自排便が可能となり,洗腸処置は中止となった.11歳現在,PEG製剤単独での維持療法で排便管理は良好である.自験例では,ASD特有の感覚過敏とこだわり行動が排便拒否行動に関与したと考えられた.PEG製剤導入後,児は便性の軟化を感覚的に認識することで排便行為を受け入れるに至った.また本剤は腹痛,腹部膨満などの副作用も少なく,自閉スペクトラム症に合併した便秘症の維持療法において理にかなった薬剤であると考えられた.

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