日本小児外科学会雑誌
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症例報告
排便管理に難渋した小児重症慢性便秘に対し,内肛門括約筋ボツリヌス毒素注入療法を行った1例
久山 寿子曹 英樹吉田 篤史植村 貞繁
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2021 年 57 巻 1 号 p. 72-76

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抄録

従来の治療に抵抗性の難治性慢性重症便秘に対し,内肛門括約筋ボツリヌス毒素注入療法を行い,排便状況の改善を得た症例を報告する.症例は4歳男児.1歳から便秘があり,徐々に増悪した.浣腸で排便を行っていたが,4歳時に浣腸への反応便がなくなり,当科初診となった.便塊除去後,浣腸及び内服薬での排便管理が奏効せず,カテーテルでの排便排ガスを必要とした.充分なインフォームドコンセントを行った上で内肛門括約筋ボツリヌス毒素注入療法を行う方針とし,ケタラール麻酔下にボトックス® 50単位を局注した.治療後,浣腸への反応が改善し,トイレでの排便が可能となり,排便状況が改善した.本邦では慢性便秘に対するボツリヌス毒素注入療法は保険適応外であり,報告がほとんどない.文献的考察を加え,その安全性と効果について報告する.

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