日本小児外科学会雑誌
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症例報告
膵・胆管合流異常を伴った重複胆管の1小児例
工藤 渉齋藤 武照井 慶太中田 光政小松 秀吾原田 和明秦 佳孝古金 遼也
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2021 年 57 巻 3 号 p. 618-624

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抄録

症例は12歳,女児.腹痛を主訴に近医を受診し,先天性胆道拡張症・急性膵炎の診断で当科紹介となった.MRCP上,拡張した肝外胆管は頭側で左右肝管に分岐し,尾側では膵管に合流した.さらに別の肝外胆管も認められ,胆囊管を分岐し尾側で十二指腸に連なった.ERCP上,両者は左右肝管合流部直下で交通し,拡張胆管は膵管と合流して長い共通管を形成しており,膵・胆管合流異常を伴う重複胆管と診断した.近位胆管は両胆管交通部直上の総肝管で切離し,遠位胆管は膵内で2本の肝外胆管を別個に処理し,肝管空腸吻合術を施行した.重複胆管は非常に稀な病態で,本邦では97例(うち小児11例)を数えるにすぎない.小児例では膵・胆管合流異常を併存することが多く,成人例では悪性腫瘍の合併も散見され,複雑な胆道形態から種々の病態を生じうる.胆管の走行と併存疾患を正確に評価し,適切な治療戦略を立てることが肝要である.

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