2021 年 57 巻 3 号 p. 631-638
肝芽腫の微小肺転移巣を,染色法によるCTガイド下マーキング(以下CT法)を行って切除した症例を経験したので報告する.症例1は肝芽腫が右葉に原発した4歳男児例.肝右葉切除後に出現した1か所の右肺転移巣に対してCT法を行ったのち胸腔鏡下肺部分切除を施行した.症例2は肝芽腫が右葉に原発した1歳男児例.化学療法後も残存する右肺の2か所の微小結節性病変に対してCT法とインドシアニングリーン蛍光法を用いた術中ナビゲーション(以下ICG蛍光法)を併用して肺部分切除を行ったのち,全肝を摘出して肝移植を施行した.症例3は肝芽腫が左葉に原発した3歳男児例.肝左葉切除,化学療法後に残存する7か所の肺の微小結節性病変に対してCT法とICG蛍光法を併用して両側肺の部分切除を施行した.CT法とICG蛍光法を併用することで,肉眼でも触診でも確認できないほど微小な肝芽腫の肺転移巣を確実に切除できると考えられた.