日本小児外科学会雑誌
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症例報告
経臍的小開腹アプローチで胃切開により摘出した毛髪胃石の1例
吉田 英樹窪田 昭男西山 方規北山 紀州荒木 麻利子松本 哲平中澤 一憲須浪 毅塚本 義貴中尾 照逸
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2021 年 57 巻 3 号 p. 684-689

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抄録

症例は10歳女児.主訴は腹痛と嘔吐.触診にて上腹部に10 cm大の腫瘤を認めた.抜毛と食毛の習癖があり毛髪胃石を疑った.腹部CTでは胃内に気泡を含む巨大な塊を認め,胃内視鏡にて毛髪塊を認めたため毛髪胃石と診断した.内視鏡的摘出困難と判断し,消化管閉塞症状を認めなかったため待機的に手術を施行.臍部にて小開腹し,胃壁を創縁まで引き出して切開した.ALEXIS®ウーンドリトラクターXSを切開部より胃内に挿入し,胃壁を展開,固定した後,直視下に胃石を摘出.胃石重量は290 g,手術時間は110分.摘出後,胃切開部から手袋法にて鏡視下に胃内を観察し,遺残がないことを確認した.経臍的アプローチにて創縁保護具を胃切開部より胃内に挿入することにより,創直下に胃内を目視でき,胃石摘出を施行し得た.胃切開部からの鏡視下観察は,小切開での手術を補う簡便で有効な手段である.症例提示とともに文献的考察を加えて報告する.

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