日本小児外科学会雑誌
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症例報告
胆囊床を有する肝副葉捻転の1例
藤枝 悠希福澤 宏明岩出 珠幾竹内 雄毅畠山 理
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キーワード: 肝副葉, 胆囊, 捻転, 小児
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2021 年 57 巻 3 号 p. 690-694

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抄録

症例は14歳男児,総排泄腔外反症の術後であった.突然の上腹部痛を主訴に当院へ救急搬送され,造影CTで胆囊の腫大と壁肥厚と,胆囊に近接する造影効果の低い腫瘤を認めた.胆囊と大網の捻転を疑い緊急手術を施行した.右腹部に回腸人工肛門,左腹壁に導尿路を造設しており,右季肋部斜切開で開腹した.創直下に鬱血した肝臓と拡張した胆囊を認め,胆囊が付着した肝副葉捻転と診断した.捻転解除後,速やかに鬱血は改善したが,再捻転の可能性があり肝副葉と胆囊は摘出した.術後経過は順調で術後5日目に退院した.胆囊床を有する肝副葉捻転の報告は非常に稀である.画像所見で胆囊捻転を疑い胆囊に近接する腫瘤を認めた場合は,肝副葉捻転も鑑別として考慮すべきである.また報告されている胆囊床を有する肝副葉捻転症例は全例腹壁の手術歴を持っており,前腹壁手術を行う際には胆囊周囲の肝副葉の存在を念頭に置く必要があるのではないかと考えられた.

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