日本小児外科学会雑誌
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原著
Shear wave elastographyを用いた胆道閉鎖症の早期診断に関する検討
高瀬 洪生山道 拓髙山 慶太金 聖和梅田 聡田山 愛山田 利栄市田 和香子西川 正則臼井 規朗
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2021 年 57 巻 5 号 p. 844-849

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抄録

【目的】胆道閉鎖症の診断においてshear wave elastography(SWE)を用いた肝の組織弾性の測定が有用であることが報告されつつあるが,新生児期のSWEが胆道閉鎖症の診断に有用かどうかの報告はない.本研究ではSWEによる肝の組織弾性の測定が胆道閉鎖症の早期診断に有用かどうかを検討した.

【方法】当院で2015年9月より2020年11月までの期間に生後30日以内に直接ビリルビン1 mg/dl以上の高ビリルビン血症を認め,かつSWEを含む肝の超音波検査を施行した26例を対象として後方視的に検討した.症例を胆道閉鎖症と非胆道閉鎖症の2群に分け,血液検査所見および超音波検査における高度萎縮胆囊やtriangular cord signの有無,SWEによる肝の組織弾性を比較した.また肝の組織弾性の診断能を評価するためROC解析を施行した.

【結果】26例中10例が胆道閉鎖症,16例が非胆道閉鎖症であった.血液検査所見では,γGTPのみ胆道閉鎖症で有意に高値であった(p=0.004).超音波検査所見では,triangular cord sign(p=0.014)とSWEによる肝の組織弾性(p=0.004)で2群間で有意差を認めた.肝の組織弾性のROC解析ではカットオフ値を8.80 kPaとした場合AUCは0.844であり,感度90.0%,特異度75.0%,陽性的中率69.2%,陰性的中率92.3%と感度および陰性的中率が高かった.

【結論】SWEを用いて肝の組織弾性を測定することは,胆道閉鎖症の早期診断,特にスクリーニング検査として有用であると考えられた.

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