日本小児外科学会雑誌
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症例報告
妊孕性を温存し得た卵巣の輪状細管を伴う性索腫瘍(SCTAT)の1女児例
植野 百合大津 一弘亀井 尚美
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2021 年 57 巻 6 号 p. 959-964

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抄録

輪状細管を伴う性索腫瘍(SCTAT)は性索間質腫瘍の中でもまれな境界悪性腫瘍であり,しばしば女性ホルモンを産生することや,Peutz-Jeghers症候群(PJS)に合併することが知られている.症例は9歳6か月女児.乳房腫大と不正性器出血を主訴に来院した.左卵巣に約11 cm大の漿液性囊胞性病変を認め,エストラジオール(E2)が高値であった.経過観察中に病変は一時的に縮小しE2値も低下したが,その後病変の再増大を認めた.反応性卵巣囊胞を疑い卵巣囊胞部分切除術を施行したところ,病理組織診でSCTATと診断された.SCTATの標準治療は定まっておらず,本症例では妊孕性を温存するため術後7か月時に患側のみの付属器摘出術を施行した.本症例はPJS非合併例であり,非合併例では約20%が悪性の経過をとるとの報告があるため,今後厳重な経過観察が必要である.

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