日本小児外科学会雑誌
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症例報告
空腸閉鎖症術後に発症した胆道閉鎖症の1例
福原 雅弘佐藤 智江大西 峻飯田 則利江角 元史郎
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2021 年 57 巻 6 号 p. 986-991

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抄録

症例は在胎36週6日,3,000 gで出生した男児.日齢2に空腸閉鎖症の診断で一期的吻合を行った.術後2日目より経腸栄養を開始し,日齢15に中心静脈栄養から離脱したが,日齢17頃から灰白色便と直接ビリルビン優位の黄疸を認めたため利胆薬を開始した.日齢22に退院としたが,黄疸が持続したため精査したところ胆道閉鎖症を否定できなかった.日齢59に試験開腹を行い胆道閉鎖症(III-b1-ν)と診断し,肝門部空腸吻合術を施行した.術後は速やかに減黄し1歳の現在まで黄疸はなく経過良好である.小腸閉鎖症術後の胆汁うっ滞はしばしば経験するが,胆道閉鎖症との鑑別は困難であり,精査・治療介入が遅くなることが指摘されている.今回小腸閉鎖症に合併した胆道閉鎖症の本邦報告例および当科における小腸閉鎖症症例を検討した結果,生後1か月過ぎても遷延する直接ビリルビン優位の黄疸は胆道閉鎖症を念頭に置いた精査が必要であると考えられた.

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