日本小児外科学会雑誌
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症例報告
先天性気管狭窄症の労作時呼吸苦の評価に6分間歩行が有用であった年長児2例
横井 暁子
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2021 年 57 巻 6 号 p. 981-985

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抄録

先天性気管狭窄症(CTS)の経過観察例では,成長に伴い労作時呼吸苦が問題になることがある.労作時呼吸苦の評価に6分間歩行検査(6MWT)が有用であった2例を経験した.症例1 6歳男児.重篤な換気不全の既往はなし.成長に伴い友達と一緒に動き回れないことが問題となり,6歳時に6MWTを施行,351 mと低値であり気管形成術を施行した.術後は問題なく経過し,6MWTは術後26日で451 m,7か月後には541 mと改善した.症例2 8歳男児.3歳時にRSウイルス(RSV)感染でECMO導入の既往はあったが,以後挿管歴はなし.就学後から運動時の呼吸苦が強くなり,6MWTを施行,390 mと低値であり,気管形成術を施行した.術後は問題なく経過し,6MWTは術後26日に554 mと改善した.2例とも術前の歩行後SpO2は低下せず,術後も軽度低下のみで,自己のペースで行える6MWTはCTS児においても施行可能であった.

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