日本小児外科学会雑誌
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症例報告
サイロ造設による二期的な腹壁閉鎖法が有用であった先天性右横隔膜ヘルニアの1例
髙城 翔太郎平山 裕飯沼 泰史愛甲 崇人菅井 佑仲谷 健吾
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2021 年 57 巻 7 号 p. 1071-1077

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抄録

一期的閉鎖が困難な腹壁異常に対して選択されるサイロ造設術を先天性横隔膜ヘルニア(congenital diaphragmatic hernia:以下,CDH)に応用した報告はほとんどない.今回著者らはサイロを造設して一時的に腹腔内容積を拡張することで,自己組織によるヘルニア門の直接閉鎖をなしえた肝脱出型右CDHの1例を経験した.症例は在胎37週,2,272 gで出生した女児.生後右CDHと診断され日齢4に開腹手術が施行されたが,肝臓を主体とした腹腔内臓器の胸腔内脱出割合が大きく,全てを引き出した後に右横隔膜を一期的に閉鎖した結果,今度は横隔膜が短縮してしまい右上腹部の腹腔内容積が減少した.人工布で横隔膜面積を拡張してから臓器を還納し直す方法も検討したが,生理的な修復法を目指して一旦サイロを造設した上で二期的に腹壁閉鎖を行う方針とした.その後乳糜胸腹水を認めたものの経過は良好で,日齢55には退院した.腹腔内臓器が還納困難なCDHでは,サイロを用いた二期的根治術も選択肢の一つとなりうる.

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