2021 年 57 巻 7 号 p. 1066-1070
症例1は4か月女児.嘔吐を主訴に前医を受診し,腹部単純X線で腸閉塞症と診断され,当科紹介受診となった.各種検査で回腸末端の球状型腸管重複症(以下本症)による腸閉塞症と診断し,緊急手術を行った.症例2は3か月男児.嘔吐と血便を主訴に前医を受診し,腸重積症の診断で非観血的整復術を施行されたが整復困難で当科紹介となった.各種検査で本症による腸重積症と診断し,緊急手術を行った.2例とも回腸末端の腸間膜側・回盲弁部に内接して本症があり,回腸を切開し腸管内腔より共通壁の範囲を把握し病変の楔状完全切除を行いかつ回盲弁を温存した.各々術後4年,1年経過したが晩期栄養障害は認めていない.本症の手術は,回盲部切除もしくは粘膜抜去の報告が多いが,回盲部温存と病変完全切除を両立でき,児の将来を見据えた臓器温存と根治性を両立した術式を工夫したので報告する.