日本小児外科学会雑誌
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症例報告
腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術後の慢性疼痛に対し神経切離,子宮円靭帯切離が有効であった1例
内田 豪気黒部 仁杉原 哲郎梶 沙友里金森 大輔大橋 伸介芦塚 修一大木 隆生
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2022 年 58 巻 1 号 p. 79-84

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抄録

症例:16歳女児.既往歴:特記事項なし.現病歴:数週間前からの右鼠径部の膨隆を認め近医を受診し鼠径ヘルニアの診断で当院紹介受診となった.立位にて右鼠径部の膨隆を認め,体表超音波検査にて大網脱出を認めたため,14歳時に腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure 以下LPEC)を施行した.LPEC施行時5 cm大の右卵巣腫大を認めた.術後右鼠径部の疼痛が出現したが,疼痛が生理周期に伴っており右卵巣腫大の影響も考慮し超音波検査にて経過観察し鎮痛薬にて疼痛コントロールを行っていた.次第に痛みは生理周期とは一致しなくなり,術後慢性疼痛による痛みと判断し神経ブロック注射を行うも効果に乏しく,16歳5か月時にMarcy法による鼠経ヘルニア再縫縮と3神経系切離,子宮円靭帯切離を行った.術後疼痛は消失し現在術後約1年の経過で疼痛の再燃なく経過は良好である.LPEC術後の慢性疼痛の報告は検索した範囲内で過去に1例しかなく,当院での経験を報告する.

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