2022 年 58 巻 1 号 p. 73-78
新生児期に左下咽頭梨状窩瘻・甲状腺左葉合併切除が施行され,6年後に梨状窩瘻再発を起こした女児が紹介された.前頸部切開による再手術は操作の困難及び合併症の発生が懸念されるため,内視鏡を用いた瘻管の化学的焼灼術を施行した.気管内挿管全身麻酔下,フード付き内視鏡下にて梨状窩瘻の入口を確認した.フードを瘻孔入口に押し当て円筒を作り,瘻管に細いチューブを挿入して瘻管内と入口周囲を20%トリクロール酢酸0.4 mlにて化学的焼灼を施行した.焼灼直後に,内視鏡にて瘻管のほぼ全てが焼灼されていることを確認できた.合併症の発生はなかった.7か月後,内視鏡にて梨状窩瘻の入口の閉鎖を確認した.化学的焼灼術は,梨状窩瘻の再発時においても有用な推奨すべき治療法と思われる.