日本小児外科学会雑誌
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症例報告
非吸収性スペーサー摘出後の再発病変に対し吸収性スペーサーを留置した小児仙骨部悪性腫瘍の1例
高木 大輔森川 有里近藤 知史
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2022 年 58 巻 6 号 p. 902-906

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抄録

2016年より小児がんに対する陽子線治療が保険診療となり,2019年には粒子線治療を目的としたスペーサー留置術が保険収載された.現在承認されているスペーサーはポリグリコール酸(PGA)を原料としたシート型の吸収性材料であるが,これが開発される以前は非吸収性医療材料をスペーサーとして用いることが多かった.この過渡期において,非吸収性と吸収性の異なる2種類のスペーサーを留置した症例を経験した.症例は11歳の男児.仙骨部悪性腫瘍に対する陽子線治療のため,延伸ポリテトラフルオロエチレン製シートを用いてスペーサー留置術を施行した.この非吸収性スペーサーは照射終了後に摘出されたが,その後に腫瘍の再発をきたした.再発時には吸収性PGAスペーサーが使用可能であったため,これを用いてスペーサー留置を行った.PGAスペーサーは体内で吸収されるため照射終了後に摘出する必要がなく,優れた医療材料であると思われた.

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