2022 年 58 巻 6 号 p. 927-938
先天性食道閉鎖症や気管無形成症に対する食道再建の術式は多岐に渡り,標準的な治療法はないとされる.今回,胃を代用食道とした再建術を施行した3例を提示する.症例1は気管無形成症Floyd I型に対して下部食道バンディング,胃瘻造設術,頸部食道離断術および唾液瘻造設術を施行した3歳2か月の男児.胸骨後経路で胃管吊り上げにて食道再建を行った.症例2はB型食道閉鎖症に対して瘻孔切除術および唾液瘻造設術を施行した10か月女児.Collis-Nissen法による食道再建を行った.症例3はC型食道閉鎖症に対する根治術後吻合部狭窄に拡張術を施行した後,縦隔膿瘍を発症した2歳3か月の男児.胸骨後経路で全胃吊り上げにて食道再建を行った.全例で吻合部縫合不全を認めたが保存的治療で改善し,その後の長期的な経過は良好であった.食道再建方法に関しては,個々の症例に応じて有用な術式やアプローチ方法を選択する必要がある.