2022 年 58 巻 7 号 p. 1011-1016
自己肝温存胆道閉鎖症の長期経過観察中に肝内胆管癌を認めた1例を報告する.25歳男性.日齢78にIII-a1-νの胆道閉鎖症に対して逆流防止弁付き肝門部空腸吻合術を施行した.21歳時に超音波検査で肝右葉に囊状肝内胆管拡張を認め,bile lakeとして経過観察した.25歳時に黄疸を伴う胆管炎と肝膿瘍を疑う病変を認め,小腸内視鏡を施行し,逆流防止弁の狭窄解除を行ったが,肝門部空腸吻合部に到達できなかった.難治性胆管炎にて肝移植を考慮され,当科紹介となった.当科受診時のCA19-9が7,092 U/mlと高値であり,肝右葉の腫瘍性病変に対して生検を施行し,肝内胆管癌stage IVB(腹膜播種)と診断した.門脈浸潤に対して経皮経肝的ステント留置を行い,化学療法を施行したが,化学療法開始11か月時に十二指腸浸潤の消化管出血で死亡した.胆道閉鎖症の長期管理に悪性腫瘍のスクリーニングは必須である.