日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
症例報告
急性腹症で発症した未診断小児Crohn病の1例
廣畑 吉昭青井 重善髙山 勝平金 聖和東 真弓文野 誠久古川 泰三田尻 達郎
著者情報
キーワード: Crohn病, 未診断, 急性腹症
ジャーナル オープンアクセス

2023 年 59 巻 2 号 p. 191-197

詳細
抄録

症例は12歳女児.3か月前から腹痛,便秘,嘔吐を繰り返すようになり近医小児科にて経過観察されていたが,腹痛・嘔吐症状が急激に増悪し腸閉塞が疑われたため当科へ紹介受診となった.CTにて空腸の壁肥厚と狭小化,口側腸管の拡張,closed loopを認め,急性腹症と判断し緊急開腹術を施行した.虚血性変化はなく,空腸の広範囲に浮腫,壁肥厚,拡張及び大網を巻き込んだ腫瘤形成を認めた.同部を切除し,敷石状病変・縦走潰瘍を認めCrohn病による消化管狭窄と術中診断した.合併症を回避するために,機械吻合ではなく正常な粘膜部で手縫での端々吻合を行い,吻合部口側に減圧チューブを留置し手術を終了した.病理学検査にて非乾酪性肉芽腫を認めCrohn病と最終診断した.術後経過は良好で,14日目にインフリキシマブを開始し,32日目に退院した.小児の本症の未診断例に対し緊急手術を行う際は,再手術や手術に起因する瘻孔形成を念頭に術式や合併症対策を検討すべきである.

著者関連情報
© 2023 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top