2023 年 59 巻 2 号 p. 198-202
症例は13歳,男児.10歳時に血便を主訴に来院し,大腸内視鏡検査で,全大腸炎型潰瘍性大腸炎と診断した.プレドニゾロン導入後に寛解と再燃を繰り返した.アザチオプリンによる治療を開始し,一旦寛解したものの,再び腹痛と血便が出現したために入院加療となった.入院1日目より頭痛の訴えあり,入院8日目には左上下肢の痺れと脱力を認め,頭部CTおよびMRI検査で脳静脈洞血栓症と診断した.発症同日より上矢状静脈洞血栓症に対してヘパリン投与で治療を開始し,脳浮腫軽減目的としてマンニトールの投与も開始したが,改善を認めず,痙攣が出現した.発症後6日目にカテーテルによる血管内治療で血栓除去術が行われた.血栓除去後は痙攣を認めず,麻痺症状の軽快および頭痛の消失を認め,発症から50日目に退院となった.小児の潰瘍性大腸炎患者では,脳静脈洞血栓症を合併した報告は稀であり,文献的考察を加え報告する.