日本小児外科学会雑誌
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原著
NOMが適応された小児外傷性脾損傷症例の安静管理に関する検討
星 玲奈上原 秀一郎浅井 陽武藤 衣里小野 賀功後藤 俊平細川 崇金田 英秀越永 従道
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2023 年 59 巻 4 号 p. 755-763

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抄録

【目的】我々は循環動態が安定しており初期治療としてnon-operative management(以下,NOM)を選択した外傷性脾損傷(以下,本症)の児に対して,日本外傷学会臓器損傷分類(2008年)(以下,分類)に基づいて安静期間や検査スケジュールを定めた管理を適応してきた.今回,その治療成績を振り返り,安静期間とフォローアップの画像検査の在り方を検討した.

【方法】2010年1月から2019年12月までに本症と診断された16歳未満の児は11例であった.全例が初療時に循環動態が安定しており入院にてNOMが施行され,この11例を対象とした.受傷機転,分類,合併損傷,入院中に施行された造影CT検査の回数,輸血の有無,遅発性脾破裂や仮性動脈瘤の合併の有無,手術およびtranscatheter arterial embolization(以下,TAE)の施行の有無,ベッド上安静日数,在院日数,転機について後方視的に検討した.

【結果】受傷機転は転落,スポーツ,交通事故であった.分類ではIIIbが最も多く7例であった.合併損傷は骨折が最も多かった.輸血を要した症例はなかった.入院中に施行された造影CT検査は3~7回,ベッド上安静日数は14~21日,在院日数は21~43日であった.遅発性脾破裂や仮性動脈瘤を合併した症例,手術・TAEが施行された症例はいずれもなく,11例全例が生存退院した.

【結論】当院で定められた安静管理と検査スケジュールに従ってNOMを施行した結果は良好であった.

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